うるま市赤道自治会、22日に「志喜屋孝信物語」上演


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週に3回集まって「志喜屋孝信物語」の練習に励む赤道の住民や子どもたち=うるま市赤道公民館

 【うるま】赤道芸能祭、演劇「志喜屋孝信物語」(うるま市教育委員会、赤道自治会主催)が22日、うるま市仲嶺の市民芸術劇場で上演される。志喜屋孝信は赤道出身で戦前、県立第二中学校校長や私立開南中学の創設に務め、戦後は初の県知事、琉球大学学長を務めた。教育者、政治家としての生涯を、地元の人たち120人余りが力を結集し、2時間の演劇で表現する。

 芸能祭は第23回うるま市ふるさと芸能デーの一環。地域の人が地元の芸能に触れ、継承し、地域作りの連帯感を育む狙いで実施している。
 劇では、志喜屋孝信の家族に対する愛情や、戦前の皇民化教育で子ども達を戦場に送らざるをえなかった苦悩、戦後知事として米軍や議会の板挟みに遭いながら、民衆を思い沖縄の復興にいそしむ姿が描かれている。志喜屋は、戦後の一場面では「沖縄の心までを奪われてはいけない」と訴える。
 劇には役者50人のほか、衣装や舞台道具づくり、踊り手、地謡のほか、幕開けの古典芸能の披露でも地域の人が舞台に関わった。作・演出をした又吉英仁さんは「区民だけで作り上げるところに意義がある。8カ月間練習した。いい芝居を見せられる」と話す。
 10日も踊り手が「ひやみかち節」を練習し、稽古をした。役者・踊りで出演する戸谷颯大君(9)=市立赤道小3年=は「緊張する。でも完璧だから大丈夫」と本番を前に自信を見せた。
 22日は午後2時と午後6時半の2回公演。入場料1000円。問い合わせは赤道公民館、電話098(973)3432。