県、辺野古海上作業の停止指示へ 週明け決定で調整


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辺野古の海上作業の一時停止指示を検討する考えを示す翁長雄志知事=13日午前、県庁

 県は13日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古沿岸部への移設計画で、沖縄防衛局が海底に設置したコンクリート製の「トンブロック」(10~45トン)がサンゴ礁を傷つけている問題について、防衛局に作業の一時停止を指示する方向で最終調整に入った。ブロックの設置場所が、昨年8月に県が許可した岩礁破砕の区域外であることなどを問題視しており、許可取り消しも含めて検討している。翁長雄志知事は同日夕、記者団に「専門家と相談して分析し、一両日中に対応を決めたい」と語った。16日にも対応を決める。

 ブロックの投入について翁長知事は13日午前の記者会見で「場所についても、サンゴを傷つけていることも含め、大変逸脱している」と述べ、知事権限による作業停止指示を検討していることを明らかにした。
 ただ防衛局は県の質問に対する12日付の回答文書の中で、県から昨年8月に岩礁破砕許可を受けた際、ブロックの投入は他の事例を踏まえても許可の対象外だと示されたと説明。新たな許可を得る必要はないとの考えを示した。
 ブロックの設置作業について菅義偉官房長官は13日の会見で「県の許可を得て行っている。問題はない」などと述べ、作業を継続する考えを表明。中谷元・防衛相は、数十トンもの重量や設置場所が許可に反するとの指摘が県側にあることに関して「指摘には当たらない」と述べた。
 県は昨年8月、県漁業調整規則に基づき移設計画に伴う埋め立て予定地など172ヘクタールの岩礁破砕を許可した。だがブロック投入箇所は許可の区域外だとして、許可の取り消しや海底の原状回復、作業の停止などを検討している。弁護士などと相談し対応を決定する。
 漁業調整規則に基づく県の岩礁破砕の取り扱い方針では、知事の許可を得ていない行為について「停止および原状回復を命ずることができる」と定めている。
 防衛局はブイ(浮標灯)を固定するため海底へのブロック設置作業を進めている。来週にも完了し、その後、海底ボーリング調査を再開する見通し。
 県の停止指示などに関する調整が遅れれば、防衛局側への指示の前にブロック設置作業が完了する可能性もある。