辺野古移設「ヤマ場」 英経済誌「本土受け入れない」と分析


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 【ワシントン=島袋良太本紙特派員】英大手経済誌エコノミストは14日付で、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画が「ヤマ場を迎えている」と報じた。夜通しの抵抗運動が続き、知事も移設に反対していると紹介。一方で移設問題について「他の明確な選択肢は少ない。新たな基地と騒々しい海兵隊を受け入れたがる県は日本本土にない」と述べ、政治的理由で移設が阻まれている状況を解説した。

 米軍キャンプ・シュワブ前で抵抗運動をする市民について「極端な過激派はほとんどおらず、市民の中には元公務員や教員、大学教員らの姿もある」と伝え、陸上では県警機動隊、海上では海上保安官が市民を排除していると報告した。沖縄の基地集中について「巨大な負担が住民を苦しめてきた」と説明した。
 翁長雄志知事については、移設に反対する市民と米政府の両者が、知事就任後に移設阻止の態度が「和らいだのではないか」と注視していると指摘。辺野古埋め立て承認を検証する県の委員会が結論を出す前に日本政府が作業を進めるほど、承認取り消しを躊躇(ちゅうちょ)するのではないかとも分析した。
 一方、「住民の意思が無視され続ければ、住民運動は沖縄の全基地撤去を求めることになる」としたヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表の声も紹介し、そうした事態は「米国と安倍晋三首相を窮地に追いやるかもしれない」と伝えた。