辺野古座り込みテント、政府が撤去検討 「歩道を不法占拠」


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新基地建設に反対し座り込む市民が米軍キャンプ・シュワブゲート周辺に張っているテント=1月22日、名護市辺野古

 【辺野古問題取材班】政府が辺野古新基地建設計画で、米軍キャンプ・シュワブのゲート前での抗議活動への対抗措置として住民らが座り込みをしているテントの強制撤去を検討していることが分かった。住民らは移設作業に関連するとみられる資材の搬入を阻止するため24時間態勢で警戒を続けているが、「拠点」となっているテントを撤去させることで抗議運動を弱体化させる狙いがあるとみられる。

 移設に向けた作業で沖縄防衛局は、埋め立て予定地の辺野古崎付近で仮設桟橋の設置工事や海底ボーリング調査を近く開始したい考え。1月中旬から工事や調査に必要な資材を定期的に大型トラックで搬入してきた。これに対し住民らは未明の搬入に備え同時期からフェンス沿いの歩道にテントを設置して24時間態勢の警戒を始めた。
 防衛省はゲート前の抗議活動が作業の進展を妨げる阻害要因だとして対応策を講じており、その一環として常設のテントが歩道を不法に占拠している工作物として強制撤去に向け検討に入った。
 関係者によると、強制撤去の法的根拠となるのは道路交通法76条の「道路における禁止行為」。同条では「交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない」と定めており、道路管理者である国の許可を得ずに設置したテントを「不法工作物」とみなして撤去するよう警告できるとみている。「警告」は国道を管理する国土交通省との調整が必要で、今後調整を進めるとみられる。
 防衛局は今週末に海底ボーリング調査に使用するスパット台船を辺野古沖に搬入し、週明けに掘削調査を再開させる見通し。仮設桟橋設置工事も近く開始する。翁長雄志知事は岩礁破砕の許可区域外での作業停止を求めているが、防衛局は許可区域内での作業を先行させる構えだ。