平和センター議長ら逮捕 県警、刑特法違反疑い 米軍が拘束


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米軍の警備員に両足をつかまれ、ゲート内に引きずられていく山城博治議長=22日午前9時5分ごろ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 名護署は22日、米軍キャンプ・シュワブ内に正当な理由なく侵入したとして、刑事特別法違反の容疑で、男性2人を逮捕した。県警警備1課によると、2人は黙秘している。逮捕されたのは、シュワブのゲート前で抗議行動をしていた沖縄平和運動センターの山城博治議長と男性1人。新基地建設をめぐり、シュワブゲート前で刑特法違反容疑の逮捕者が出るのは初めて。識者からは刑特法の適用に疑問と批判の声が上がっている。

 逮捕容疑は22日午前9時3分ごろ、米軍キャンプ・シュワブ内に正当な理由なく侵入した疑い。目撃者らによると、市民らがシュワブの新ゲート前で抗議行動中、米軍の日本人警備員ともみ合いになり、その際に山城議長ら2人が同警備員に引きずられる形で、基地内に連行された。山城さんらは基地内で約4時間拘束され、午後1時すぎに名護署に引き渡された。山城議長と接見した弁護士らによると、山城議長らは基地内に連行された後、後ろ手に手錠を掛けられ事務所内に連れて行かれた。
 県警によると、米軍は午前9時30分ごろに県警に「男の身柄を拘束した」と連絡した。瑞慶覧正警備部管理官は刑特法違反容疑での逮捕について「米軍から状況を聞き、証拠(ビデオカメラの映像など)となるものを見せてもらった」と説明した。
 県警は米軍の山城議長らに対する対応について、「(米軍が)確保し、拘束した」としたが、在沖米海兵隊報道部は琉球新報の取材に対して「米海兵隊施設に侵入したとして日本人警備員が『逮捕』した」と回答した。
 山城議長らの逮捕を受け、名護署には多くの市民が駆け付け、「不当逮捕だ」「即時釈放しろ」などと抗議の声を上げた。名護署は23日にも那覇地検に山城議長らを送検する。
英文へ→Henoko protesters detained by US military