辺野古抗議、「排除」ではなく「移動」 県警本部長が議会答弁


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 米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、県警の加藤達也本部長は2日、県警による新基地建設に抗議する市民らの強制排除について、「排除」ではなく「移動」との見解を示した。県議会一般質問で島袋大氏(自民)の質問に答えた。米軍キャンプ・シュワブゲート前では、座り込みなどで抗議を続ける市民らを「排除」の掛け声の下、機動隊が強制排除する姿が市民らに何度も確認されている。

 シュワブゲート前での県警の警備対応についての答弁で加藤本部長は、ゲート前で違法状態があるとした上で「必要最小限度の範囲において部隊による規制を実施して違法状態を解消している」と述べた。「『排除』ではなく『移動』か」との島袋氏の再質問に対し「警察官の対応によって移動をさせていただいている」と述べた。
 「移動」とした答弁について県警警備2課の金城重成次席は取材に対し「座り込みなど違法状態にある場合は『排除』している。(違法ではない場合は)誘導し別の場所に移ってもらうこともある。2通りの対応を合わせて『移動』と答えた」などとした。
 連日ゲート前で抗議する沖縄平和運動センターの山城博治議長は「言葉遊びだ。合意して移動するなら『移動』だが、抵抗する人を無理やり排除しているのだから『排除』でしかない。これまでにけが人も出ている。(議会は)言論の府として言葉の意味付けをはっきりすべきだ」と批判した。1月にもみ合いの中でけがをした60代の女性は「『移動』という言葉からあの状況は思い浮かばない。現場で座り込んでいる人は60、70代が多く、機動隊とは圧倒的に力が違う」と憤った。