米軍、県の辺野古サンゴ調査を拒否 「運用妨げ」主張


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 米軍普天間飛行場の移設計画に関し、名護市辺野古沖で沖縄防衛局が投入したコンクリートブロックがサンゴを傷つけている問題で、県が潜水調査のため求めていた臨時制限区域内への立ち入りについて、米軍は11日、外務省を通して「運用の妨げになる」として拒否した。

 外務省関係者によると、米軍は1996年に合意した立ち入りに関する日米合同委員会合意に基づき、日米地位協定室を通じて立ち入りを拒否すると県側に通知した。
 県はサンゴ損傷の発覚を受け、防衛局の海底作業は昨年8月に県が許可した岩礁破砕の範囲を逸脱していないかどうかを確認する必要があるとして、2月26日に米軍以外の船舶の航行が制限される同制限区域の外側から海域の潜水調査を行っていた。
 さらに同区域内で調査の必要があるとして、米側に立ち入りを要求。区域内での調査後に、防衛局の行為が破砕許可の取り消しに該当するかどうかを判断するとしていた。
 サンゴ損傷をめぐっては翁長雄志知事が2月16日、県が許可した岩礁破砕の区域外であることが市民団体などの調査で判明したことを受け、防衛局にブロックの設置作業の中止などを指示。岩礁破砕許可の取り消しに言及していた。
 米軍の拒否について翁長知事は11日、都内で記者団に対し「事実を確認して(対応を)話したい」と述べるにとどめた。