辺野古作業中止指示 農水省、30日にも効力判断


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県の海底作業停止指示と今後想定される流れ

 翁長雄志知事が米軍普天間飛行場の移設計画で、名護市辺野古沖の海底作業停止を指示したことに対し、防衛省側がこれに従わず、不服審査請求書と、指示の効力停止を求める申立書を農林水産省に提出したことを受け、沖縄県は25日、農水省に提出する意見書の取りまとめを本格化させた。

同日の県議会米軍基地関係特別委員会(新垣清涼委員長)で県の増村光広農漁村基盤統括監は「意見書がまとまり次第、公表する」などと説明した。 防衛省が申し立てた不服審査請求に対する農水省の判断は1カ月以上かかる見通し。一方、指示の効力停止を求める執行停止申立書については、農水省が27日までの意見書提出を県に求めており、これを受けて同省は30日にも効力停止の判断をするとみられる。
 一方、県が沖縄防衛局に対して全ての海底作業を停止し、報告するよう指示した期限も週明けの30日となっている。防衛局は県の指示後も海底ボーリング調査などを継続している。
 知事は防衛省側のこうした対応も踏まえ、前県政が許可した、辺野古埋め立て計画や海底調査に係る岩礁破砕許可の取り消しに踏み切るとみられ、週明けに大きな局面を迎えそうだ。
 県が作業停止を指示した翌24日、防衛省は岩礁破砕許可を管轄する農水省に対し「県の岩礁破砕の認識に誤りがある」などと訴え、県の指示を不服として審査請求と、その間の指示の執行停止を申し立てた。
 農水省によると岩礁破砕の定義に明文規定はないが、防衛局は県に提出した見解書で「地殻の隆起形態を変化させる行為」と主張。だが県の増村統括監は25日の同特別委で「岩礁の中にはサンゴも含まれる。地形としての岩礁という扱いがある」と説明し、防衛局が海底に設置したコンクリートブロックによるサンゴ礁損傷は岩礁破砕に該当するとの認識を示した。