食のサポート広がる輪 こどもフードバンク


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サポートの相談や食料品の寄付を呼び掛ける「こどもフードバンク」代表の砂川和美さん(左)と、夫で事務長の正広さん=18日、北谷町美浜の「Jesus cafe」

 【沖縄】沖縄市で子どもを多く抱えるひとり親や低所得世帯を対象に「食のサポート」を行うため、昨年10月に発足した「こどもフードバンク」の活動の輪が広がり始めている。

代表の砂川和美さん(49)は「いろんな事情を抱えて子どもたちに満足な食事を食べさせることができない家庭がある。善意で集まった食料品を提供することで家族をサポートしたい」と意気込む。
 フードバンク(食料銀行)は企業や家庭から余った食料品の寄付を受けて、無償で必要な個人や団体に提供する。砂川さんが活動を始めたのは、昨年7月の新聞報道がきっかけだ。記事は生活困窮により給食費などの補助を受ける就学援助について、沖縄市では4人に1人が受給しているという厳しい現実が紹介されていた。県内最悪の数値に和美さんは「おなかをすかせた子どもたちに食事を届けたい」と一念発起して夫の正広さん(55)と共に会を立ち上げた。
 市社会福祉協議会や生活困窮者を支える団体から食料品の提供を受け、要望がある各家庭に夫婦2人で配り始めた。
 現在は旧コザ地域を中心に約10世帯に月に1度、米5~10キロや缶詰のほか、お菓子やジュースも提供。活動は口コミで広がり、県内外から食料品や米券を寄付する協力者も出てきた。「お菓子を手渡すと子どもたちは笑顔で喜ぶ。活動して良かった」と和美さん。
 面談や家庭訪問などを経てサポートは受けることができる。和美さんは「1日1食、給食だけに頼る子どもたちもいる。子どもを守ることができるのは地域の大人たちだ。できることから支えていきたい」と心に誓う。
 「こども―」は、サポートを求める家族の相談を受け付ける。食料品の寄付やボランティアも求めている。問い合わせは同事務所(電話)098(938)4010まで。(宮城征彦)