「粛々」から「堅実に」 閣僚ら、言葉尻だけ変更


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 【東京】米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画について菅義偉官房長官が翁長雄志知事の反発を受け「粛々と進める」などと述べてきた発言を今後はしない意向を示したことを踏まえ、関係閣僚も7日の記者会見などで「粛々」との発言を避けている。

ただ、辺野古移設を推進する姿勢は継続して示しており、言葉尻だけを変える対応だ。
 中谷元・防衛相は7日の閣議後会見で辺野古移設について問われると「予定通り堅実に工事を進めていきたい」と述べた。これまでの「粛々」との表現を避け「堅実に」という言葉を引用した。
 山口俊一沖縄担当相は、知事と安倍晋三首相の会談実現について問われ「官房長官と総理が相談し、まさに『粛々と』やっていただければいいと思う」と述べた。菅氏は7日の会見で、中谷氏が「粛々」という発言を避けたことについて指示や関係閣僚で調整などがあったかを問われ「申し合わせはしてない」と述べた。
 菅氏を含め、関係閣僚が用いてきた「粛々と進める」との発言に、翁長知事は5日、菅氏との会談で「上から目線だ」と述べ、政府の姿勢を痛烈に批判した。翁長氏の指摘を受け、菅氏は翌日の6日の会見で「不快な思いを与えたのであれば使うべきではない」と明言し、「粛々」という表現を使わない考えを示した。