ブロック設置でサンゴ94群体破壊 国監視委が批判


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 【東京】米軍普天間飛行場の辺野古移設計画をめぐり、浮標灯(ブイ)を設置するためのコンクリートブロックがサンゴ礁を破壊している問題で、沖縄防衛局が2月に調査を実施したところ、94群体のサンゴを破壊していたことが9日、明らかになった。

同局が移設作業に伴う環境保全策を検討する環境監視等委員会の第4回会合を都内のホテルで開き、調査状況を報告した。ブロック設置をめぐり、委員から作業の進め方や手法について批判も相次いだ。
 防衛局によると、許可区域内外でブロックが設置された周辺75地点を調査し、サンゴの破壊が確認された。同局は破壊されたサンゴのうち94%が10~20センチで「問題はない」としている。
 ただ委員会の中村由行委員長(横浜国立大大学院教授)によると、委員からは「許可区域内外にかかわらず、もっと丁寧な進め方をすれば、破壊が避けられた部分があったのではないか」と批判が上がった。委員会の総意としても「原則、環境アセスメントと同じように丁寧に工事をすべきだ」と指摘する見解が示された。一方、サンゴの破壊について「生態系への影響は軽微」としている。
 ブロックの重量を重くしたのは、防衛局の判断だったことも明らかになった。委員からは「これだけ大きなものでハード的に対応することは委員会の意向ではなく、遺憾だ」との指摘があった。