辺野古サンゴ破壊 県、監視委資料を要求


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 米軍普天間飛行場の辺野古移設計画をめぐり、沖縄防衛局が投下したコンクリートブロックによりサンゴが破壊されていたことが防衛局の環境監視等委員会で報告されたことを受け、県土木建築部は13日、委員会の議事概要や配布資料などの提供を求める文書を防衛局宛てに郵送した。

 一方、県水産課は「(破壊が)どのような内容だったのか県として知る必要がある」とし、既に外務省を通じて米側に求めている米軍臨時制限水域内での立ち入り調査を認めるよう、近日中に再度求めることを明らかにした。同課は岩礁破砕許可に違反する事例を確認した場合「何らかの措置を求めることになる」と述べた。
 9日に開かれた同委員会で、防衛局はコンクリートブロック投下により94群体のサンゴを破壊していたことを報告した。その後の取材に対し、うち89群体が県の岩礁破砕許可区域の外にあったと回答していた。
 県水産課は既に自身の調査で、防衛局によるコンクリートブロック投下でサンゴ礁が破壊された可能性が高い現場1カ所を確認している。ただ、この現場も臨時制限区域外からの確認にとどまったため、県側は制限区域内での追加調査を求めていた。
 一方、委員会翌日の10日時点で、県海岸防災課は当面、防衛局の議事録公表を待つ姿勢だったが、破壊されたサンゴの9割超が岩礁破砕許可区域外だったことが明らかになり、13日に急きょ文書提供を求めた。
 「破壊が避けられた部分があったのではないか」などとする監視委の指摘が現場で順守されていないことを確認した場合、県海岸防災課は防衛局に是正を求めていく考えだ。
 (当銘寿夫、島袋良太)