米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局が海域に設置したコンクリートブロックでサンゴ94群体が破壊された問題で、沖縄防衛局は15日、全体のうち10群体は立ち入りが禁止される臨時制限区域の外側で確認されたと明らかにした。
県が自身の調査で確認した1事例よりも9事例多い。
防衛局は取材に対し、浮標灯(ブイ)のアンカーとして使っているコンクリートブロックとブイをつなぐ綱・係留索によって、サンゴが摩耗、損傷したと説明した。係留索の長さは満潮時の水深を想定して設定しているため、干潮時に垂れ下がった係留索でサンゴが傷ついたとみられる。
県は自身の調査でも、制限区域の外で1件のサンゴ破壊を確認している。
一方こうした状況から、制限区域の内部にあるものの、県による岩礁破砕許可区域の外でもサンゴ礁が破壊された可能性が高いとして、制限区域への立ち入り調査を米軍に求めているが、15日段階で許可が出ていない。
今回、県が自身で確認した数を上回るサンゴ破壊が制限水域外で確認されたことを受け、県は「防衛局がこの事例について環境監視等委員会に報告した議事、資料の提供を求めており、それに基づき状況を確認したい。制限区域内での調査も引き続き許可を求めていく」とした。