没10年“祝う” てるりん祭 最多30組超出演


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 【沖縄】戦後沖縄を代表するエンターテイナーで「てるりん」の愛称で親しまれた故・照屋林助さんの功績をたたえる民謡ライブ「第7回コザ・てるりん祭」(同実行委員会)が12日、沖縄市の中央パークアベニューで開かれた。

林助さんの没10年を記念した今回は、過去最多となる個人・団体の唄者ら30組超が出演し、県内外から詰め掛けた多くの来場者でにぎわいを見せた。
 てるりん祭は毎年、林助さんの誕生月に当たる4月に開催される。林助さんにゆかりがある民謡唄者の大御所や中堅、若手らが勢ぞろいする「県内最大級の無料ライブ」(関係者)になる。
 12日は昼から夜にかけて、知名定男さんや田場盛信さん、大城美佐子さんのほか、前川守賢さんや我如古より子さん、でいご娘ら豪華メンバーが勢ぞろいした。元ザ・ブームの宮沢和史さんも出演して代表曲「島唄」を披露した。
 林助さん「最後の弟子」の玉城満さんと志ぃさー(藤木勇人)さんが司会を務め、林助さんにまつわる愉快な思い出話で観客の笑いを誘った。
 無料で開放されたイベントには県内外から多くの客が集まり、泡盛やつまみに舌鼓を打ちながら野外ライブを満喫した。
 泡盛を片手にカチャーシーを舞ったプロ棋士の林耕三さん(52)=大阪府=は「出演者の熱気がすごい。ウチナーンチュでなくとも心に響く音楽がある」と感動した様子で話した。
 唄者らは情感あふれる演奏で観客と触れ合い、会場一体となって盛り上がった。締めは園田青年会のエイサー演舞により、参加者全員でカチャーシーを踊った。
 林助さんの次男で実行委員長の照屋林次郎さん(62)は「過去最多の出演者がそろった最高のステージで、おやじの没10年を祝うことができた」と話し、安堵(あんど)の表情を浮かべた。

照屋林助さんの没10年記念で開催された「コザ・てるりん祭」の出演者。左は宮沢和史さん、中央は我如古より子さん=12日、沖縄市の中央パークアベニュー
音楽に乗ってカチャーシーを舞うおばあちゃん=12日夕、沖縄市の中央パークアベニュー
愉快な思い出話で観客の笑いを誘った林助さん最後の弟子の玉城満さん(右側)と志ぃさー(藤木勇人)さん