環境委資料 県に提供 防衛局、議事録は作成中


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 米軍普天間飛行場の辺野古移設計画をめぐり、沖縄防衛局によるコンクリートブロック設置でサンゴ94群体を破壊されたことが9日の防衛局の環境監視等委員会で報告された件で、防衛局は21日、県に委員会配布資料を提供した。

サンゴ破壊が見つかったのは21地点。海上の浮標灯(ブイ)とコンクリートブロックをつなぐ鉄製の綱「係留索」によるものが76件、ブロック本体によるものが18群体だった。県は資料を精査し、岩礁破砕許可違反や保全措置を検証する。
 破壊されたサンゴ94群体のうち9割超の89群体が県の岩礁破砕許可区域の外にあったため、県が資料の提供を求めていた。
 一方、委員会の議事録は作成中のため、今後提供する予定。委員会の中村由行委員長(横浜国立大大学院教授)によると、委員からは「許可区域内外にかかわらず、もっと丁寧な進め方をすれば、破壊が避けられた部分があったのではないか」などの批判もあった。
 防衛局は22日、県への提供と併せて同局ホームページでも資料を公開した。資料によると、岩礁破砕許可を所管する県水産課は「まずは提供資料を精査したい。ただ、県自身による米軍臨時制限水域への立ち入り調査も求めているので、引き続き許可を求める」とした。一方、ボーリング調査に伴う環境保全措置全般を担当する県海岸防災課は「保全措置の状況を調べ、改善を求める必要があるか検証する」とした。