染織団体の300人 産地結び130キロ初駅伝


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連携強化と技術継承への誓いを新たにする染め織りの各事業協同組合の理事長ら=18日、南風原町の琉球かすり会館

 【南風原】県内の染め織り従事者の連携を深めようと「第1回伝統工芸染織団体 駅伝大会」(同実行委員会主催)が18日に開かれ、県内各産地や事業協同組合から総勢300人が参加した。芭蕉布産地の大宜味村喜如嘉を朝7時に出発し、かすり産地の南風原町琉球かすり会館までの約130キロの区間を9時間かけてリレーでつないだ。

参加者は世代間交流を通して技術継承への思いを新たにした。
 芭蕉布の人間国宝・平良敏子さん(94)が第一走者を務め、各産地の織物を一つに縫い上げたたすきをつないだ。読谷山花織(読谷)、知花花織(沖縄市)、琉球びんがた(那覇)の各産地を走り抜け、他市町村は車や自転車を利用した。
 終着地の南風原町琉球かすり会館では「ユネスコ無形文化遺産登録申請宣言」を行い、産地の枠組みを超えて一致団結を誓った。
 県工芸産業協働センターの小橋川順市理事長は「県内の産地同士で手を取り合り、共に技術を伸ばしていきたい」と思いを込めた。
 琉球絣事業協同組合の野原八重子理事長は「喜如嘉から与那国まで琉球の染め織りは列島を横断してつながっており、世界遺産に登録する価値がある。たすき駅伝で気持ちが一つになった」と大会の意義を語った。