「まちゼミ」沖縄市で今秋開講 メーク、料理 プロが伝授


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県内初の「まちゼミ」開講に向けて奔走する岡崎まちゼミの会代表の松井洋一郎さん(左)と、広瀬陽さん=21日、沖縄市胡屋の一番街商店街のコザBOX

 【沖縄】商店街の店主が講師となりプロの専門的な知識と情報を学べる無料講座「まちゼミ」が今秋、沖縄市胡屋の一番街商店街で開講する予定だ。まちゼミは商店街に人を呼び込む決め手の一つとされ、全国約190カ所で展開されている。

沖縄市で開講すれば県内初となる。仕掛け人の岡崎まちゼミの会代表の松井洋一郎さん(46)は「商店街の最大の魅力は人、店主だ。店のファンを増やして、住民に親しまれる商店街を目指そう」と呼び掛けた。
 まちゼミは、2003年に愛知県岡崎市の中心商店街で生まれた。大型商業施設の進出などで空洞化が進み、イベントをしても売り上げが伸びない商店街だった。だが、ゼミの講座を通じて店主ファンが増え、買い物客が訪れるようになり店の売り上げが伸びるなど、街に活気を取り戻した。
 全国各地で人気を集める同ゼミは、材料費がかかる場合を除いて受講料は原則無料で、地域住民にも好評だ。1時間程度の少人数制講座で、店の特徴や店主の特技などを生かして、化粧品店のメーク教室や飲食店の料理教室、花屋のフラワーアレンジメントなど講座は多岐にわたる。
 20日、沖縄市の一番街商店街内で講演した松井さんは「価格や品ぞろえで大型商業施設やネット販売とは勝負できない。個人商店が生き残るために人の魅力を売り出そう。店主のファンを増やして、客と信頼関係を構築し、固定客につなげよう」と、集まった店主らに呼び掛けた。
 県内初開講に向けて準備を進める広瀬陽さん(49)=沖縄市=は「個店一つ一つの魅力が高まれば、街を訪ねる人が増えて商店街の魅力も高まる。商店街ににぎわいを取り戻す一手として期待できる」と話した。