日米首脳会談 「辺野古」推進を確認 同盟強化で一致


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ホワイトハウスで共同記者会見する安倍首相とオバマ米大統領=28日、ワシントン(共同)

 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】安倍晋三首相は28日午前(日本時間同日深夜)、オバマ米大統領とワシントンのホワイトハウスで会談した。日米両政府が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の推進を確認したが、共同声明では普天間飛行場の「5年以内の運用停止」については盛り込まれなかった。

会談後の共同会見で、オバマ大統領は「在沖米海兵隊のグアム移転を進めていくことを再確認する」と述べた。安倍首相は「普天間の危険性を辺野古移設で除去する。沖縄の基地負担の軽減を強い信頼関係の下で進めていく」と述べ、辺野古移設を推進する考えを強調した。
 アジア太平洋地域や世界の平和構築に向けた「日米関係の強化」でも一致し、戦後70年の節目に「新時代の同盟関係」を打ち出し、安全保障と経済分野を柱とする共同声明を発表した。
 オバマ氏との会談は昨年11月に訪問先のオーストラリアで開いて以来。両首脳は、自衛隊と米軍の役割分担を定めた防衛協力指針(ガイドライン)の18年ぶりの改定を踏まえ、地球規模での協力拡大を確認し、強固な同盟関係をアピールした。
 在日米軍再編問題をめぐっては、安倍首相が沖縄の基地負担軽減に向け、嘉手納より南の米軍施設の返還やグアム移転など計画を加速するよう要請したとみられる。辺野古移設に反対する翁長雄志知事を説得する材料にしたいとの狙いがある。
 発表された共同声明では、辺野古移設について直接的な文言は盛り込まなかったが「米国は日本における安定的で長期的な米軍のプレゼンスを基礎として日米安全保障条約に基づく自らのコミットメントの全てについて固い決意を持っており揺らぐことはない」と強調。県内の根強い辺野古移設反対の民意を無視し、辺野古移設を進める方針をあらためて打ち出した。
 安保面では、軍事的に台頭する中国などを念頭に、海洋秩序における「法の支配」が重要との認識を共有。力による現状変更に反対する姿勢を打ち出した。
 経済分野では、TPPがアジア太平洋地域の成長と繁栄に寄与するとして、最終局面を迎えている日米協議の決着を目指すことで一致した。
英文へ→Abe and Obama reaffirm they will go ahead with the Henoko relocation