辺野古沖、掘削調査の作業続く


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市民の抗議船に乗り込み、漁港に船を戻そうとする海上保安庁の職員(中央)=30日午前、大浦湾

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で30日午前、辺野古沖の長島北側のスパット台船に作業員の姿が確認された。海底ボーリング調査関連の作業が続行されている。同じ海域に設置されていた台船2基中の1基は午前10時すぎに移動を開始した。11時現在、より長島に近い地点で再び設置作業が始まろうとしている。この地点で新たにボーリング調査が行われれば、深い海域での調査は5カ所目になるとみられる。

 立ち入りが制限される臨時制限区域を示すように張りめぐらされたオイルフェンス(油防止膜)は、長島沖の航路標識付近で一部途切れていたが、この日午前中までにつながっていることが確認された。辺野古崎から長島、安部沖、汀間沖、瀬嵩沖、シュワブのビーチの浜付近まで、オイルフェンスやフロート(浮具)がつながった状態で、大浦湾を完全に囲む形となっている。
 新基地建設に反対する市民らは抗議船とカヌーで作業中止を求めたが、海上保安庁のゴムボートによる確保、拘束が行われた。
 一方、キャンプ・シュワブの第1ゲート前では市民約100人が早朝から抗議行動をした。あいさつしたヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は、28日に海上で抗議船が転覆したことに関し「弁護士と連携して法的措置を取る」と述べた。名護市宮里に住む田港清治さん(86)は、安倍晋三首相の訪米について「米国に行けるのに名護市まで来られないのか」と批判した上で「基地は絶対に造らせない」と力を込めた。【琉球新報電子版】