辺野古協議 長期化も 県が見解、夏の着工困難に


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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、沖縄防衛局が海底ボーリング調査を終えた後に県と行う「実施設計」の協議について、県の赤崎勉海岸防災課長は1日、「量によってかなりの時間や労力がかかる」との見解を示し、長期化する可能性を示唆した。防衛局はボーリング調査を6月末までに終え「早ければ夏にも埋め立て工事に着手したい」(中谷元・防衛相)としているが、県との協議が長引けば、夏の本体工事着工はさらに難しくなる。

 「基地の県内移設に反対する県民会議」の北上田毅氏らが1日、県庁を訪ね、土木建築部と農林水産部幹部と面談し、協議にかかる期間の見通しや県の対応方針を尋ねたのに対し、赤崎氏が答えた。赤崎氏は「工事中の環境対策もあり、環境部局への意見照会なども出てくるので、それだけ時間がかかる」とも述べた。
 県は2013年12月に仲井真弘多前知事が政府の埋め立て申請を承認した際に「留意事項」を付け、防衛局は本体工事の着手前に県と実施設計について事前協議するよう定めた。翁長雄志知事も県議会で「協議は必要だ」と述べているほか、菅義偉官房長官も3月の記者会見で「事業者として誠実に対応することは当然」と述べ、県との協議に応じる認識を示した。
 県によると、防衛局は既に「中仕切り岸壁」や「二重締め切り護岸」の新設など6件、415億円の本体工事契約を終えているが、これらの工事は現段階で「基本設計」に基づく内容となっている。
 防衛局は、調査で把握した地盤の堅さや形状を反映した「実施設計」に更新した上で着工する必要がある。