那覇空港滑走路増設に県外石材 総合事務局が予定変更


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 那覇空港滑走路増設事業を進めている沖縄総合事務局が当初は沖縄本島内から調達するとしていた護岸工に使う石材を一部、鹿児島県奄美大島からも調達する予定であることが8日、分かった。県土木建築部に調達先の変更を申請しており、同部が審査を進めている。早ければ今月内にも県は結論を出す見通しだ。

 埋め立て申請時、総合事務局は「石材の調達は(県内で)十分可能」としていた。工事を始めたところ、冬場の風や波が強く、護岸整備などの作業ができる時期が限られると判断した。
 総合事務局は波風の条件がいい夏場に、多くの石材を使って護岸整備を一気に進める意向を示していて、調達先としていた本部町塩川地区の供給能力、1日当たり6千立方メートルを超える1日当たり9千立方メートルの石材が必要だと試算した。他の県内の調達先も検討したが必要量に達しないとして、調達先の変更を4月6日に県に申請した。
 県によると、総合事務局は埋め立てに必要な石材など180万立方メートルのうち最大で30万立方メートルの石材を奄美大島から調達する計画を立てている。外来種の混入に関する対策を尋ねる県の質問などに対し、石材を洗浄して投入するため環境への影響は小さいと回答している。
 県は調達量の根拠や環境保全策などを総合事務局に質問しており、15日までに総合事務局から回答を得る予定だ。18日以降に県土木建築部の意見をまとめた上で、知事・副知事に報告する。
 県外からの土砂搬入について、県議会与党が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画をめぐり、制限する条例の制定を検討している。今回の変更申請との関連について、県海岸防災課は「石材まで規制対象となるかは、条例の文言が明らかにならないと分からない」としている。