11日開始 困難な情勢 辺野古制限域潜水調査


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 名護市辺野古の新基地建設に伴い、沖縄防衛局が岩礁破砕許可区域外でサンゴ礁を破壊した可能性が高いとして、県が11日から米軍臨時制限区域での潜水調査を求めている件で、同日の調査開始は難しい情勢となった。

週末に入る8日夕の段階で米軍から許可が得られなかったため。県は「米側に提出した計画には調査の日程を繰り延べることもあると書いた」と説明しており、11日に開始できない場合も、計画と大きなずれがない形で近日中に立ち入りが実現できるか、対応を見極める。
 一方、県が8日を期日として、制限区域内で海中に投下したコンクリートブロック周辺の状況写真を提供するよう求めていた件について、防衛局は同日、県に写真を郵送した。県水産課は「潜水調査の参考資料にもなる」と評価した。写真が到着次第、コンクリートブロックの寸法が把握できるのかや四方から撮影したものという県の要求に合致した内容か分析する。
 制限区域への立ち入りで県と米軍側の調整をしている防衛局は8日、県に対し、調査方法に関する追加の情報提供を求めた。県側はこの求めが立ち入り実現に向けた“詰め”の作業なのかを見極めており、週明けに防衛局と調整を続ける。一方、県は立ち入り要請から既に2カ月以上調査が実現していない状況を「不誠実」と批判しており、調整が長引けば対抗措置を取る可能性もある。