オスプレイ、横田基地配備へ 沖縄訓練が濃厚


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米政府は9日までに、空軍仕様の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイを2017年から米軍横田基地(東京都)に配備する方針を決めた。週明けにも、日本政府が地元自治体に説明し、正式に発表する。配備先には当初、米軍嘉手納基地が挙がっていたが、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設をめぐる批判に加え、オスプレイに対する反対の声が沖縄で根強いことから、沖縄への配備は困難だとし、本土配備で決着した。複数の日米関係筋が明らかにした。オスプレイの日本本土常駐は初めて。

 米軍は13年までに普天間飛行場にMV22オスプレイ24機を配備している。米軍はCV22を横田基地に17年に3機、数年内に7機を配備し、最終的には計10機を配備する。CV22を運用する特殊作戦司令部の下部組織の第353特殊作戦群が嘉手納基地に駐留していることから、横田配備のCV22が沖縄に飛来し、北部演習場などで訓練する可能性は高いとみられる。
 オスプレイは開発段階などで事故が相次ぎ、普天間配備後も県内では配備に反対する声がいまも根強い。特殊作戦用のCV22は米フロリダ州で墜落事故を起こすなど、10万飛行時間当たりの事故率は12年で13・47で、MV22の1・93より格段に高い。沖縄をはじめ横田基地周辺の地元住民や自治体が安全性を懸念して反発する可能性が高い。
 CV22の配備については米軍幹部が13年に横田基地を軸に検討していると言明していた。米側は4月27日に開いた日米外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表に横田配備を盛り込むよう提案したが、地元との調整に時間を要するとの日本側の指摘を受け、見送っていた。