事故車買い取り輸出 タウ、県内で営業開始


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 損壊した車両(ダメージカー)の買い取り、販売、輸出を手掛けるタウ(さいたま市、宮本明岳社長)は5月、那覇支店を開業し県内での営業を開始した。県内は人口や観光客の増加で、県民の保有車やレンタカーの数も増える傾向にある。

台風などの自然災害も多く、同社はダメージカーの買い取り台数の増加を見込んでいる。初年度の仕入れ台数は500台が目標だ。
 那覇支店は国内19番目の支店として、1日付で開業した。営業第1部の岡本真介副部長は「離島県の沖縄では県外輸送するコストの高さから、事故車を廃車か修理する傾向にある。そこに売却という選択肢が増え、事故被害者の経済的救済にも貢献できる」と話した。
 同社はミャンマー、ロシア、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ、チリ、オーストラリアにも海外支店を置く。販売先は世界110カ国に及ぶ。
 ダメージカーは損害保険会社や自動車販売業者から仕入れる。独自の査定を基に買い取り、4カ国語に対応したインターネット上の専用サイトで販売する。会員制で、現在約8万人が登録している。
 日本車は海外で「高性能なジャパンブランド」(岡本副部長)として高値で取引されるため、購入者が買い取り後に自ら修理して販売すれば利幅は大きい。さらに県内には主に新型車を取り扱うレンタカーが多いことから、購入者の需要にも応えやすいという。
 本間拓也那覇支店長は「壊れた車を再生して利用することは、環境や海外の地域社会にも貢献できる。沖縄ではまだダメージカーを売却するということの認知度は低いが、徐々に理解を広めていきたい」と意気込みを語った。
 タウは1997年設立。従業員397人(2014年9月末)。14年9月期の売上高は194億円。(長嶺真輝)

県内で損壊した車の買い取り、流通に向け意気込むタウ営業第1部の岡本真介副部長(右)と本間拓也那覇支店長=12日、那覇市の同支店
タウがこれまでに買い取った損壊した車