知事、新基地は「海の強制接収」 国の不条理、内外メディアに訴え


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外国人記者らに対し「新基地は造らせない」と語る翁長雄志知事=20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会

 【東京】翁長雄志知事は20日、東京都千代田区の日本記者クラブと日本外国特派員協会でそれぞれ会見し、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画について「海上での銃剣とブルドーザーの基地建設だ」と述べ、基地が強制接収されてきた歴史と重ね合わせ、移設を強行する政府を批判した。

知事は27日からの訪米についても「場合によっては何回も行かざるを得ない」との見解を示し、米国に対しての働き掛けを強める考えを示した。
 翁長知事が上京して会見したのは、27日に控える訪米を前に辺野古移設反対の考えを国内外に明確に示す狙いがある。翁長知事は会見で「手続き論として(埋め立て承認の)撤回や取り消しがある。知事の権限として有効に使い、名護市長と一緒になって造らせない。それができると思っている」と述べ、新基地建設阻止の意思を国内外の報道各社に訴えた。
 日本記者クラブで辺野古移設容認から反対になった理由について問われると「稲嶺恵一知事は15年使用期限の軍民共用空港として許可した。しかしそれを小泉純一郎首相がつぶし、自民も民主もオールジャパンで基地を置いている。私たちは70年前の戦争で10万人亡くなった。子や孫に基地を引き継いでいいのか。沖縄に生まれた保守の政治家は子どもたちを守るために頑張るべきだ」と述べた。
 安倍政権が掲げる基地負担軽減策について、嘉手納より南の米軍基地返還計画が県内移設を前提としており、計画が全て実行されてもわずか0・7%の軽減にしかならないことを指摘。安倍晋三首相との会談の中でも「返還が着実に進んでいるふうには見えない」などと訴えたことも示した。
 翁長知事は基地が強制収用された経緯などに触れた上で、辺野古移設を強行する政府について「日本国の政治の堕落ではないか」と批判、安倍政権に対して「日本国民全体で日本の安全保障を守る気概もないのに一県にこれだけ押し付けている。それで積極的平和主義だと言っているが、日本の覚悟が感じられない」などと国の不条理を批判した。
英文へ→Governor Onaga tells foreign media: Tokyo’s Henoko policy is like US policy during occupation