沖縄史、自己決定権交え各社がネット配信 知事特派員協会見


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大勢の外国人記者らも詰め掛け、関心の高さを示した日本外国特派員協会での翁長雄志知事の会見=20日、東京・有楽町の日本外国特派員協会

 【東京】20日、日本外国特派員協会と日本記者クラブで会見した翁長雄志知事の「新基地は絶対造らせない」の言葉は、直後から早くも国内外のメディアがインターネットで世界中に発信した。英国のロイター通信は「沖縄知事、辺野古作業の中断要求」との見出しで記事を世界へ配信。米国のAP通信や仏国のAFP通信なども配信し、米ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)や中国の新華社、インドなどの各メディアもウェブサイトに記事を掲載し、世界からの注目度の高さをうかがわせた。

 米テレビネットワークのABCやフォックス・ニュースはAP電を使用。中国の新華社は「沖縄知事、米軍基地は地域経済を損なっていると批判」と報じた。イランのプレステレビは「沖縄県知事は必ず米軍基地建設に抵抗し続けると言った」と伝えた。各社とも沖縄の歴史や自己決定権をめぐる動きを交えながら、知事発言を大きく報じた。
 さらに翁長知事は会見後、米紙ニューヨーク・タイムズなどの個別インタビューにも応じ、訪米を前に自らの立場を国内外のメディアに積極的に発信した。
 日本記者クラブではテレビカメラ11台など記者238人が出席。ことし出席者が200人を超えたのは2月の仏経済学者トマ・ピケティさん以来。外国特派員協会には約150人の報道陣が詰め掛けたが、3分の1が海外メディアだった。
 衛星テレビ局「香港フェニックステレビ」東京支局長のリ・ミャオさんは、尖閣諸島も含めた日中関係などを質問した。本紙の取材にリさんは「沖縄の問題はこの20年間解決していないし、いつも日本を揺るがしていると思う。県と政府の関係がどうなるのか注目している」と語った。
 英誌「エコノミスト」のディビッド・マックニール記者は、辺野古移設阻止を目指す翁長知事の姿勢は評価しつつも「具体的に何をするかの戦略が欠けていると思う。訪米も賢明な戦略とはいえない」との見方を示した。