NPT会議が決裂 核軍縮後退、中東非核化が障害に


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 【ニューヨーク共同】国連本部で4月下旬から開かれていた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は最終日の22日、決裂した。イスラエルの非核化を念頭にした「中東非核地帯構想」の扱いなどで加盟国間の対立が埋まらず、合意事項を盛り込んだ最終文書を全会一致で採択できなかった。5年に1度開催され、核軍縮や核拡散防止の課題を討議する再検討会議は、広島、長崎への原爆投下から70年の節目に最悪の形で閉幕を迎えた。

 最終文書採択に失敗したのは、前々回会議の05年以来。国際社会が求める「核兵器なき世界」の理想は後退を余儀なくされ、核廃絶を念願する被爆者には失望が広がりそうだ。
(共同通信)