県高校総体 カヌー神里5冠、大城4冠


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 2015年度県高校総合体育大会は24日、先行競技のカヌーと水球を行った。カヌーでは男子の神里大稀(沖縄水産)がカナディアン5種目で頂点に立ち、大城丈次(同)もカヤックで4冠を達成した。水球は那覇西が決勝リーグを全勝で制した。

◆神里、意地の追い上げ 0秒24、好敵手抑える
 カナディアンシングル200メートル。大粒の雨が打ち付ける悪条件下、沖縄水産3年の神里大稀のこぐパドルは力強かった。同級生の山城勇也をほぼゴールと同時に追い抜いた。その差は0秒24。レースを終えた瞬間は「負けたと思った」と悔しげだった神里は「結果オーライです」と笑った。
 神里は山城と組んだペアや4人乗りのフォアを含めてカナディアンで出場した6種目中5種目を制した。「この大会は全て優勝するつもりで臨んだ」という意地が、シングル200メートルでの追い上げにつながった。「山城は最初から最後まで全力でやるタイプ。自分も最後まで諦めず追い上げた」とライバルとの大接戦に胸を張った。
 小学2年から中学3年まで野球をしていたが「珍しくて高校でしかできないようなスポーツをしてみたい」とカヌーへ転向した。「こいだ分だけスピードに乗るのが楽しい」。最近は柔軟性が増して肩の可動域が広がったことでストロークが大きくなり、力強さが出てきたという。
 昨年の全国総体は、先輩たちと組んで出場したカナディアンフォア200メートルで8位に終わり、悔いを残した。「今年はリベンジしたい」と闘志を燃やし「ペアでも日本一を目指す」と集大成の夏に挑む。(大城周子)

◆那覇西、全勝で水球制覇 作戦的中、那覇商に雪辱
 那覇西と那覇商。優勝の行方は、1週間前の末弘杯県予選でも顔を合わせた両校の全勝対決にゆだねられた。那覇西は末弘杯で11-7で敗れた。昨年の県総体でも苦杯をなめた。「負け続けて悔しかった。絶対勝ちたかった」(主将の比嘉良太)とリベンジに燃えていた。
 末弘杯では1年生エースの玉川貴涼を徹底的にマークされ、封じられた。今大会では玉川のポジションを下げた。守備を担いつつ好機には上がって得点を狙う-。その作戦が的中した。
 序盤から那覇西がペースをつかむ。宮城槙哉の連続ゴールで勢いづくと玉川も攻め上がって得点。7-4とリードし折り返した。しかしここから那覇商の逆襲に遭う。
 那覇西の左サイドを攻められ、主導権を握られると第4ピリオド途中、8-8の同点に。ここで那覇西が相手ゴール右前でフリースローを得ると又吉徳寿が直接、バウンドシュートを決めて勝ち越しに成功した。「一番自信のある、速いシュートを選んだ。決められてよかった」と笑顔を見せた。
 その後も集中力を切らさず守り、逃げ切った。次は全国切符を懸けて九州大会に挑む。比嘉は「那覇西はまだ九州で未勝利。まずは1勝を目指したい」と意気込んだ。(荒井良平)

男子カナディアンシングル200メートル 終盤に激しい追い上げを見せて優勝した神里大稀(沖縄水産)=24日、糸満市の報得川(普久原裕南撮影)
相手守備の激しいプレスを受けながらパスを出す那覇西の又吉徳寿=24日、奥武山水泳プール(仲本文子撮影)