浦添市議会 市長の不信任否決 討論なく失望の声も


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松本哲治浦添市長の不信任決議の採決をする浦添市議会=25日午前10時30分、浦添市議会

 【浦添】浦添市議会(又吉正信議長)は25日午前、臨時議会を開き、松本哲治浦添市長に対する不信任決議について審議し、賛成少数で否決した。議員定数27人のうち賛成が9人、反対が16人、2人が退席した。

 可決に必要な出席議員の4分の3に満たなかった。松本市長が那覇軍港の浦添移設を認めたことなどが公約違反に当たるとし、野党議員7人が不信任決議を提出した。
 賛成は提出した7人と共産党の議員2人で、そうぞうの議員2人が退席し、その他の議員は反対した。
 銘苅良二議員は「公約違反を繰り返し行ってきた松本市政下では、市民からの信頼回復は望めない」とし、決議文を読み上げた。審議では西銘健議員(共産)が賛成討論で「軍港の受け入れは市民への裏切りだ」と述べ、賛同を求めた。与党から反対討論はなく、議論は深まらなかった。満席となった傍聴席の市民からは「討論もないのか」と失望の声が上がった。
 松本市長は不信任決議が否決されたことを受けて「提出した議員の気持ちをしっかり謙虚に受け止めて、市民にもどのような背景で判断したのか、誠実に説明していきたい。残りの任期を誠心誠意頑張りたい」と述べた。
 40席の傍聴席は満席となり、入れなかった20人余の市民が廊下のテレビモニターで傍聴した。
 傍聴に来た浦添市城間の男性(71)は「公約破りの市長があと1年9カ月居座ることは許せない。市民の民意は無視されている。議論もなく否決は残念だ」と述べた。