辺野古沖に18日ぶりにクレーン船 ボーリング調査再開見通し


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
名護市大浦湾側で18日ぶりに確認された大型クレーン船=28日午前8時15分すぎ、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沖

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設作業で沖縄防衛局は28日未明、大型クレーン船2隻を大浦湾に投入した。台風6号の接近で一時撤去した船と同じものとみられる。2隻は10日午前中までに大浦湾から撤去されており、18日ぶりの再投入となった。

 午前9時現在、クレーン船2隻は米軍キャンプ・シュワブの沿岸部に停泊。黒色のクレーン船には掘削(ボーリング)機とみられる三角すいのやぐらが取り付けられている。オレンジ色のクレーン船の船上にはスパット台船の支柱部分とみられる4本の柱が確認でき、作業員が組み立て作業を始めている模様だ。台船の組み立てが完了し次第、海域に移動し海底ボーリング調査の作業が開始される見込みだ。
 新基地建設に抗議するカヌー隊辺野古ぶるーの安藤朱里さん(26)=東村=は、この日午前5時20分ごろにライトを照らし大浦湾内を航行する船舶を確認した。明るくなりかけた同6時ごろにクレーン船だと分かったという。安藤さんは「いつもは光はないのに、すごい光が海上にあった。国はジュゴンのことも考えていないし、どんどん好き勝手やるんだと思った」と憤った。

 防衛局は昨年8~9月にかけて水深の浅い海域7カ所、陸上部分5カ所の計12カ所でボーリング調査を終えており、水深の深い海域の残り12カ所の調査を3月12日に再開させた。5月2日までに5カ所での掘削作業が確認されている。
【琉球新報電子版】