辺野古悲観論再び 元米高官、政治環境の変化指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
普天間飛行場移設問題をめぐる米側関係者の発言

 辺野古移設反対を掲げて当選した翁長雄志知事の就任を踏まえ、これまで対日政策に関わり、移設問題にも関与してきた米政府の元高官や識者からは移設計画の代替案(プランB)の検討に柔軟な姿勢を示す意見や移設に悲観的な見方が再び出ている。

 米クリントン政権で普天間返還の日米合意を主導したジョセフ・ナイ元国防次官補(現・米ハーバード大教授)は本紙取材に「沖縄の人々の支持が得られないなら、われわれ、米政府はおそらく再検討しなければならないだろう」と述べ、地元同意のない辺野古移設を再検討すべきだとの見解を示した。
 リチャード・アーミテージ元国務副長官も時事通信のインタビューで「米国はこの問題では日本に先頭に立ってもらおうと思っている。日本政府が別のアイデアを持ってくれば、私たちは間違いなく耳を傾ける」と述べ、移設計画が変更される可能性があることを指摘した。
 駐日米大使特別補佐官として移設問題に関わり、日本と東アジア情勢に詳しい米ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院(SAIS)ライシャワー東アジア研究所のケント・カルダー所長は4月の本紙などによるインタビューで「知事が法的手段で止めようとするのは当然で、権利だ。(移設をめぐる裁判が)最高裁判所までいく。その中で良心的に次の一歩が何なのかを考えるべきだ」と述べ、県と日本政府による協議の必要性を強調した。
 米有力シンクタンク外交問題評議会のシーラ・スミス上級研究員は翁長知事の就任を受け「沖縄の基地政策の流れを変える出来事だ」と指摘し、現行計画の先行きを困難視した。