沖縄防衛局「知事停止指示は違法」 辺野古海底作業で反論書


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画で、県が海底作業の停止指示に対する沖縄防衛局の不服申し立ての却下を求める弁明書を林芳正農相に提出したことに対し、防衛局は28日、林農相に「知事の指示は法的根拠を欠き違法。県の指示を取り消す裁決がなされるべき」とする反論書を提出した。農水省は反論書の中身を精査したうえで、裁決に移るか、県に再び弁明書を求めるかなどを検討する。

 県は3月、浮標灯(ブイ)を固定するコンクリート製ブロックにより、県の岩礁破砕許可区域の外でサンゴ礁が破壊された可能性が高いとして、県が実態調査するまでの間、海上作業を停止するよう防衛局に指示した。防衛局は不服を申し立て、林農相が県の指示の効力を「一時停止」した。県は4月22日に弁明書を提出し、農水省は防衛局に対して反論書の提出を求め、この日が回答期限だった。
 沖縄防衛局によると、反論書では(1)指示は許可の対象区域外での行為で区域内の行為を停止させ、許可そのものを取り消そうとするもので法的根拠を欠き違法(2)国の機関にも審査請求適格は認められる(3)指示は行政指導ではなく行政処分に該当する-などと主張している。
 防衛局はこれまでコンクリート製ブロックを許可の必要性のない「アンカー」(浮標灯を固定する重り)と主張しており、「アンカーが水産資源に悪影響を及ぼすかという具体的な基準は存在しない」と反論した。昨年8月、県からアンカーが岩礁破砕の許可手続きの対象外との見解を得たことを引き合いに「『岩礁破砕に至るものであれば、それは全て申請する必要がある』とする県の主張は失当」と訴えた。
 県水産課は「県としては沖縄防衛局の反論書が農林水産省に届いたのか事実関係が確認できていない。水産庁に確認したい」と述べるにとどめた。