鉄軌道に賛否両論 県が「県民会議」初開催


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県交通政策課は30日、沖縄本島への鉄軌道導入計画に関し県民がグループ形式で議論する「沖縄鉄軌道県民会議」の初会合を那覇市の県立博物館・美術館で開いた。参加した県民から鉄軌道の導入に関し賛否両論の声が上がった。

今後の公共交通に関し「高齢者ら交通弱者が楽に移動できるようにしてほしい」「県が描く交通の全体像をもっと分かりやすく伝えてほしい」などの意見が出た。
 会議には本島の北部、中部、南部の各地区から20~74歳の32人が参加し5班に分かれて県内交通の課題などについて意見交換した。
 各班の議論では「鉄軌道は完成した駅から先行的に部分開業してほしい」と鉄軌道導入を効果的に進めるべきとする意見が出た。一方で「鉄軌道導入よりも都市機能を分散させて渋滞を緩和するべきではないか」として道路整備による車利用の利便性を高める選択肢もあるとの意見もあった。
 参加した糸満市に住む大学院1年生の金城樹さん(22)は「職業や年代の違う人たちの各立場から意見を聞くことができ、陸上交通に対する興味が深まった」と話した。本部町観光協会会長の當山清博さん(64)も参加し「北部や中南部など地区ごとの課題も踏まえる必要がある。次回の会議からは、さらに焦点を絞った形で議論できればと思う」と語った。