辺野古埋め立て土砂の搬出「撤回を」 全国7組織が連絡協設立


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「辺野古土砂搬出反対」全国連絡協議会を設立し、握手をする(左から)大津幸夫仮共同代表、向井宏顧問、阿部悦子仮共同代表=31日、鹿児島県奄美市名瀬の奄美ポートタワーホテル

 【奄美で金良孝矢】新基地建設に伴う、名護市辺野古の埋め立て用土砂が採取される予定になっている地域の環境団体など7組織で構成する「辺野古土砂搬出反対」全国連絡協議会(阿部悦子、大津幸夫仮共同代表)が31日、鹿児島県奄美市で設立された。

協議会は土砂搬出について「沖縄と日本各地の自然破壊、軍事基地の加担を強制する二重破壊だ」と批判し、政府に新基地建設と土砂搬出計画の撤回を求める決議文を採択した。
 同協議会の阿部仮共同代表(環瀬戸内海会議共同代表)はあいさつで「ふるさとから辺野古に土砂を持っていくことは、私たちが加害者になることだ。搬出元で座り込むなど活動したい」と意気込みを語った。大津仮共同代表(自然と文化を守る奄美会議共同代表)は「運動をさらに広げる出発点となる」と結成の意義を語った。
 決議文では「離島、農漁村は高度成長下で資材供給を担わされ、破壊と公害に苦しんできた」と指摘。「ようやく乱開発に歯止めがかかり、地域の主体的な振興の取り組みが始まりつつある。新たな大量の土砂供出は再びふるさとの荒廃を加速しかねない」と辺野古への土砂搬出を危惧し、計画の撤回を訴えている。
 環瀬戸内海会議の阿部共同代表は、名護市辺野古への新基地建設に反対する署名運動に賛同する団体が関東、関西、九州などで22組織に上っていることを報告した。今後、賛同した組織が署名運動を展開することになるが、さらに母体となる賛同組織が広がる可能性もある。
 会の構成組織は他に、京都府の「海の生き物を守る会」と兵庫県の「播磨灘(はりまなだ)を守る会」、福岡県の「門司の環境を考える会」、採石地の土砂崩れに悩まされる鹿児島県奄美市住用町の市(いち)集落の環境対策委員会、同県の龍郷(たつごう)町の海岸を守る「手広(てびろ)海岸を守る会」。