県外石材対策を了承 那覇空港監視委員会


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 沖縄総合事務局による那覇空港滑走路増設事業の環境監視委員会(会長・土屋誠琉球大名誉教授)が4日、那覇市内で開かれ、当初沖縄本島内で調達するとしていた護岸工事に使う石材の一部を県外から調達する際の環境対策案を了承した。

(1)採石場で洗浄し付着する土砂や動植物などを洗い流す(2)港から搬出する時に付着物がないか目視確認をする―ことを条件とした。
 那覇空港の滑走路増設事業の県外の石材搬入の環境対策は委員会からお墨付きを得たことになる一方で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴う県外からの土砂搬入は外来種混入が問題視される。総合事務局は県に調達先の変更を申請し、県が審査している。
 総合事務局は2019年末の工事完了に向け、石材を使う護岸工事が本年度にピークを迎えるとしている。着港から台風の影響で中断し、本部町の採石場の積み出し港の制約があることから、県外石材の調達が不可欠と判断した。総合事務局は「石材は岩ずり(土砂)ではない。小笠原諸島の事例でも石材は外来種の混入は懸念されていない」と説明した。
 委員からは「採石場も大量の水を使い、周辺の環境に影響があるのではないか」「目視で確認できるのか」などの質問が上がった。総合事務局は「洗浄水が採石場の外に出ることは留意する」「洗浄した段階で(目視)確認し港でも見る」と答えた。ほか監視委員会ではサンゴや海草藻場などについて意見を交わした。事後調査で工事現場周辺に環境省のレッドデータ準絶滅危惧に指定される水生生物カワツルモが確認されたとの報告があった。