コリドー地区返還要請 西普天間跡地利用


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インダストリアル・コリドー地区南側部分

 【東京】上京中の翁長雄志知事は10日、首相官邸に菅義偉官房長官を訪ね、米軍キャンプ瑞慶覧・西普天間住宅地区の跡地を利用した国際医療拠点形成に向け、国の積極的な財政支援などを求める要請書を手渡した。

要請では西普天間地区に隣接するインダストリアル・コリドー地区南側部分の早期返還と国道58号へのアクセス道路確保も求めており、菅氏は「米側と交渉している」と明らかにした。
 2013年4月に日米で合意した嘉手納基地より南の米軍6施設・区域返還の統合計画で、コリドー地区の返還は「19年度またはその後」と示された。宜野湾市など地元からは西普天間住宅地区から国道58号へのアクセス道路確保のためにコリドー南側部分の早期返還を求めていた。知事は要請時、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画については言及しなかった。
 翁長知事は「国家戦略として位置付けてほしい」と求めた。菅氏は「安倍政権は基地負担軽減と沖縄振興のためにできることは全てやる」と強調した。
 要請は佐喜真淳宜野湾市長、大城肇琉大学長も同行した。山口俊一沖縄担当相、下村博文文科相、岸田文雄外相にも同様の要請書を手渡した。防衛省、厚労省、自民党沖縄振興調査会にも要請した。岸田氏はコリドー南側について、来年春に更新予定の米軍施設・区域返還の統合計画に盛り込むべく日米で協議を進める考えを示した。