「物言う訪米団 画期的」 稲嶺名護市長が報告会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「物言う訪米団で画期的だった」と訪米を評価する稲嶺進市長=19日、名護市民会館大ホール

 【名護】5月末に翁長雄志知事らと共に訪米した稲嶺進市長の訪米報告会が19日、名護市民会館大ホールで開かれ、市民ら256人が参加した。稲嶺市長は「要請ではなく沖縄の主張をした。“物言う訪米団”は画期的なことだった」と訪米を評価した。

シュワブ内で見つかった碇石(いかりいし)に似た石についても触れ、「(碇石と判明すれば)われわれにとっては大きな歯止め、ポイントになる」と基地建設阻止の手段になるとの考えを示した。
 稲嶺市長は、訪米の様子をスライドで紹介しながら「(辺野古移設阻止について米側からは)かなり厳しいという面もあった。今回も知事承認の名残が残っていた」と米側の反応を報告した。その上で「アメリカも当事者だと伝えることができた。(米政府に対し)強いけん制ができた」と成果について話した。
 米側の対応を冷遇だと強調する報道があったことに対し「知事との会談中やその後に相手(米側)は『新しく造る基地ではない、辺野古が唯一だ』とすぐ反応した。裏を返せば知事の行動に危機感や焦りがあったからじゃないか」と指摘した。
 県議団代表で訪米し、報告会で登壇した渡久地修県議は、米国で訴えた内容や会談相手とのやりとりを報告し「(辺野古移設反対に)否定的な発言していた議員から『別の選択肢はないか』と理解を示す声もあった」と話した。
 新基地建設を止めるためにできることがあるかとの会場からの質問に対し、稲嶺市長は「民衆の小さな力の集まりを権力は嫌がる。休まないで、止めないで努力を続けていくことが大事だ」と訴えた。