大江健三郎さん、辺野古を訪問 「市民の粘り強い運動に感銘」


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海上から大浦湾の様子を視察する大江健三郎さん(左)=20日、名護市の大浦湾

 【辺野古問題取材班】琉球新報社主催の講演会に出席するため来県したノーベル文学賞作家の大江健三郎さんが20日午前、米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設が進む名護市を訪れた。午前10時半ごろ、辺野古漁港から市民船「美ら海」に乗り込み、海上を30分ほど視察した後、米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪れた。

 大江さんは、海上から大浦湾を目の当りにし「実際見てみると印象が違った。透明度があって豊かな資源の海に大規模な軍事基地建設の土台が造られようとしている」と危機感を表した。
 ゲート前で抗議を続ける市民らについては「市民の粘り強い運動に感銘を受けている。国が相手でも『あきらめなければ勝つ』との意思で活動する市民運動に共感している」と話した。
 この日の大浦湾では、海底掘削(ボーリング)調査を行うスパット台船3基のうち1基が別地点に移動する準備を始めた。現在の地点では調査を終えたとみられる。沖縄防衛局は残り2基で掘削を続けている。
 ゲート前では市民ら約40人が早朝から抗議活動を展開した。
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