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「海域調査が必要」 當眞氏、碇石の学術価値も強調

碇石に似た石の発見について「大浦の海がなりわいの場だったことの証しだ」と語る沖縄考古学会会長の當眞嗣一さん=19日、名護市瀬嵩

 【名護】名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ内で琉球王朝時代の船舶の重り「碇石(いかりいし)」に似た石が見つかった件で、沖縄考古学会会長で碇石の研究者の當眞嗣一さんが19日、本紙の取材に応じた。當眞さんは、実物を確認して石が碇石であるとした上で「大浦の海がなりわいの場だったという証拠だ。どういう状態でなぜこの場所にあったのか。さらに海域で調査する必要がある」と調査の必要性を強調した。

 碇石には中国船などに使われた長さ1~3メートルの大型の物と、それを模して琉球王朝時代に県内の船舶に使用されたとみられる小型の物がある。大型の碇石は県内では少なくとも久米島で3例、小型の碇石は浜比嘉島、瀬底島、糸満市で見つかっている。
 しかし、これまでほとんどが文化財と知られずに海から引き揚げられて、別の用途で使われており、見つかった場所の詳細が分からない物も多い。今回の石は、干潮だった辺野古崎の浅瀬で発見されたことが分かっている。
 當眞さんは「文化財は見つかった場所が分かることが重要。今回は海から見つかったと発見現場もちゃんと分かっており、実際に使われていた海での発見なので、学術的価値が高い」と話した。「なぜ辺野古崎にあったのか。もっとあるのか。さらに調査をしてみないと分からない。海域調査は必要だ」と調査の必要性を示した。
 シュワブ内では陸上部でも複数の遺跡や文化財埋蔵地が見つかっている。當眞さんは「地域の歴史を知るために必要な遺跡であれば、市が文化財として保護する必要がある」と文化財保護の重要性も併せて強調した。
 當眞さんは、碇石の研究者としてこれまでも碇石の判定作業に携わってきた。當眞さんによると、碇石かどうかの判定は専門家によって異なることはない。今回の石が、県立博物館・美術館の学芸員で碇石に詳しい片桐千亜紀さんが「碇石の可能性が高い」と判定しており、當眞さんも「碇石に間違いない」と追認した。(田吹遥子)