防衛局、辺野古環境委議事録作成せず 議論検証不可能に


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画をめぐり、仲井真弘多前知事が埋め立て承認の際に「留意事項」として国に設置を求めた環境監視等委員会について、委員の意見や沖縄防衛局の回答を把握できる「議事録」を沖縄防衛局が作成していなかったことが22日、分かった。県は「実施状況について県と関係市町村に報告すること」と留意事項で求めているが、県への提供は「議事要旨」にとどまり、県や第三者が議論の内容を詳細に検証するのが事実上、不可能になる。

 県土木建築部に対し、沖縄防衛局が18日付文書で、「第1回委員会時に委員間で議論がなされ、議事要旨を公表すると決定されたため、議事録は作成していない」と回答した。
 県海岸防災課の赤崎勉課長は「委員の決定について県として言う立場にはない。県と国との協議の場で、国の環境保全対策について確認していく」と回答した。その上で「県議などから『監視委は機能していないのでは』と指摘を受けている。議事録がなければ議論内容を検証できず、指摘について回答ができない。議事録提供はあった方が望ましい」と述べた。