分断から共感へ 「オール沖縄は可能か」3氏が議論


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登壇した(左から)津田大介氏、樋口耕太郎氏、熊本博之氏=21日夜、那覇市

 米軍普天間飛行場の移設計画に伴う名護市辺野古での新基地建設について議論する催し「『オール沖縄』は可能か―辺野古・沖縄・日本の不連続性」が21日、那覇市であった。ジャーナリストの津田大介氏(41)、明星大准教授の熊本博之氏(40)、沖縄大准教授の樋口耕太郎氏(50)が名護市辺野古での基地建設について議論した。

会場から質問や意見も飛び交った。那覇市出身でライターの島袋寛之氏(38)が主催した。
 名護市辺野古での基地建設について、津田氏は「辺野古の住民とゲート前で反対している人たちが交わっていない」と述べ、「(米軍キャンプ・シュワブの)ゲート前の運動は重要だ。辺野古基金で地元にスーパーを造るなど新たな案が出れば、地元の共感が得られるのではないか」と述べた。
 辺野古で聞き取り調査を続ける熊本氏は「ゲート前の運動に参加する辺野古住民は数えられる。だからといってよそ者ばかりで駄目だということではない」と語り、「辺野古で反対の住民は『ゲート前で止めてくれているから、行く必要がない』と感じている。だからこそ内部で地元を変える(別の)働き掛けに集中している」と説明した。
 樋口氏は「日本本土から沖縄のためだとして投入される多額の補助金が結果として沖縄社会の分断を招いている」と指摘し、沖縄の経済が自立するには「変革する情熱を持つ若者が必要だ。沖縄にはそういう人を真っ先につぶす雰囲気があるのではないか」と訴えた。