辺野古掘削、9月末まで再延長 防衛局「海象の影響」


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 沖縄防衛局は30日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けて実施している海底掘削(ボーリング)調査の完了期限について、当初の6月30日を再延長し、9月30日に変更したと発表した。防衛省は埋め立て本体工事を夏ごろに始めたいとしてきたが、日程的に厳しくなっている。一方、7月には翁長雄志知事が設置した第三者委員会が、前県政による辺野古の埋め立て承認に関する瑕疵(かし)の有無を報告する予定。知事は報告を踏まえ8月にも承認の取り消しや撤回を判断するとみられ、知事判断が本体工事着工よりも先になる可能性が高くなってきた。

 掘削は埋め立て設計に向けて海底地盤を調査するもの。防衛省は調査を2014年8月18日に始めた。当初は同年11月末までの予定だったが、今回で3回目の完了期限延長となる。今回の延長について防衛局は台風通過などを原因とする「海象の影響などで遅れが生じた」としている。防衛省関係者によると作業工程の遅れは1~2カ月で、期限の9月末よりは早く終わる見通し。
 中谷元・防衛相は30日の記者会見で「24カ所のうち陸上5カ所、海上の浅場7カ所、深場7カ所で作業を終了した。残りは深場5カ所だ」と説明した。掘削調査の遅れが移設作業に与える影響については「調査の結果を順次設計に反映させるなど、可能な限り早期の着工を目指す」と述べた。