辺野古新基地ブロック 236個の8割が申請上回る重量


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 沖縄防衛局が普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設の本体工事で設置する汚濁防止膜を固定するコンクリートブロック236個のうち、8割に相当する188個が県の岩礁破砕許可で申請された重量15トンを大きく上回り、約半数は57トンに上ることが分かった。

県はサンゴ礁破壊の懸念があるとして1日、防衛局はこれらの投下前に県と協議する必要があるとの認識を示した。防衛局は船舶や構造物を海底でつなぎ止める「係留シンカー」も37・5トンの物体計50個を海中に投下する計画で、県はこの投下も事前協議が必要だとしている。
 県水産課によると、県は昨年8月に防衛局に出した岩礁破砕許可の中で、新基地建設現場に設置する汚濁防止膜を固定するコンクリートブロックの投下を認めた。一方、防衛局の申請段階ではこの重量は15トンと表記されていたと指摘し「これを大きく上回るブロックの設置には、新たな許可が必要かどうか、協議する必要がある」とした。
 県は船舶などからいかりを一時的に下ろす「投錨(とうびょう)」行為は岩礁破砕許可を得る必要がないとしているが、係留シンカーは「常設構造物の投下に当たる可能性があり、協議が必要となる」とした。
 平和市民連絡会の北上田毅さんが入手した新基地建設工事の仕様書によると、防衛局は「中仕切り岸壁新設工事」「ケーソン新設工事」「汚濁防止膜等工事」の3件で、236個の汚濁防止膜固定用コンクリートブロックと、50個の係留シンカー、合計286個を海中に投下する計画だ。
 汚濁防止膜用ブロック236個のうち、防衛局が岩礁破砕許可で申請した15トンを下回るものは48個(12トン)で、残り102個は57トン、38個が44トンと、申請時の重量の約3~4倍に達する。
 県が建設中止を求める中、防衛局は海上ボーリング作業に伴い既に最大45トンのコンクリートブロック37個を投下し、岩礁破砕区域外でのサンゴ破壊も確認されている。北上田さんは「次は300個近く、最大57トンに上る巨大なブロックが投下される。サンゴへのダメージは計り知れない」と指摘し、県に対応を求めた。