【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、米軍が2日夕方から夜にかけて、米軍キャンプ・シュワブの通称第3ゲート前に新たなフェンスを設置した。
作業時には機動隊約30人と民間警備員が周囲を囲み、新基地建設に反対する市民らともみ合いになる場面もあった。市民らからは「裏切り者」「許せない」と抗議の声が上がった。
フェンスの設置は午後6時すぎから午後9時20分ごろまでに行われた。3月、元の場所より外側に引かれた境界線に沿って、高さ約3メートル幅約1・5メートルのフェンスが約20枚設置された。海兵隊名で立ち入り禁止を示す警告書が貼られた。第3ゲートは大浦湾の海上作業が確認しやすい場所にあるため、市民らが抗議行動を行う場所になっていた。工事終了後、米兵から日本人の肌の色を蔑視する「イエローゴーホーム」との声を聞いたという49歳男性は「最初は何を言われたか分からなかった。ひどい差別の言葉だ」と語気を強めた。女性(57)=名護市=は「工事をこそこそするのは許せない。後ろめたいから夜やっているのではないか。戦争に歩みよる感じがして恐怖で身震いする」と怒りをあらわにした。