美術家・照屋さん「沈黙では工事進む」 辺野古、高江訪ねる


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ゲート前を訪れ、抗議集会を見守った照屋勇賢さん=3日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前

 県出身で米国を拠点に活動する美術家・照屋勇賢さん(42)が3日午前、名護市辺野古のキャンプ・シュワブゲート前を訪れ、友人とともに抗議集会を見詰めた。「100年後、50年後にこの地に基地があっていいのか。自然を守れるかと問い掛けることが辺野古を守ることにつながるのではないか」と語る。

 8日までの滞在で、この日は米軍ヘリパッド建設が進む東村高江にも訪れた。今回の訪問について、「黙っていたら(工事が)進むだけ。そこに足を運ばないと何も変わらないと思った」と語る。
 今回の訪問を題材に作品を作るかは「まだ消化中」として未定だが、米国のアトリエで働く米国人のアシスタントたちに沖縄の抱える問題を伝えたいという。「彼らにも伝わる方法を考え、関心を持ってほしい」と話す。「基地賛成と反対に分かれるのでなく、両者の間にも共通項があるかもしれない。作品を通して対話のチャンスが生まれるはずだ」と語った。
 照屋さんはニューヨークを拠点に活動する。これまでパラシュートで降下する米軍兵を紅型で表現した作品などを意欲的に発表している。