土砂条例、10日成立へ 県議会特別委で可決


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 県外からの埋め立て土砂や石材の搬入を規制する条例案を審議する県議会の特別委員会は7日午後、条例案を与党と中立の公明県民無所属による賛成多数で可決した。条例案は10日の最終本会議で賛成多数で可決される見通し。

可決されれば11月1日から施行される。条例が成立した際の県の対応を問われた當間秀史環境部長は「(沖縄の生物多様性を)世界的に誇れる財産として後世に引き継げるようにしっかりと取り組みたい」と述べた。
 条例案は県外から埋め立て用の土砂や石材が搬入されることに伴い、これら資材に特定外来生物が付着、混入して県内に侵入するのを防ぐことが目的。辺野古新基地建設事業や那覇空港第2滑走路増設事業などが対象となる。特別委は採決の前に条例案について県当局への質疑を実施した。与党側は生物多様性を守る条例の意義や効果などを問い、野党側は条文についての疑問や提案の手続きの問題性などを追及した。
 県側は答弁で条例の意義について「外来種の侵入リスクを減らせる」と説明したほか、条文についても「条例として十分成立する」と評価した。そのほか県内で21種の特定外来生物が確認されていることや、2014年度までに実施された外来生物の防除対策で県から約300億円が支出され、経済的損失が生じていることなどを説明した。
 条例案には与党と中立の公明県民無所属の11人が賛成し、野党自民党と中立の維新の党の6人が反対した。無所属の新垣安弘氏は離席した。