宮古島市議会、陸自配備の市民要請採択


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 【宮古島】宮古島市議会(真栄城徳彦議長)は8日、6月定例会最終本会議を開き、宮古島への陸上自衛隊配備計画に関連して賛成派の自衛隊配備促進協議会(野津武彦会長)が提出していた「自衛隊早期配備に関する要請書」を与党などの賛成多数で採択した。

下地敏彦宮古島市長は議会終了後、会見し「市議会は市民の総意」と語り、今後、国と地権者との交渉や施設の法令適合状況を踏まえ、受け入れを判断していく。
 採決で与党の公明(2人)と中立系(4人)の市議計6人が退席した。討論で反対の市議が「委員会の報告では議論が尽くされていないと退席した議員もいる。市民への説明責任を果たせない」と反対を訴えた。賛成する市議は「自衛隊配備は国防上必要で、災害、防災面での対応も充実する。経済的なメリットも大きい」として理解を求めた。
 採択した要請書には、行政から防衛省に対し住民説明を求めるよう付帯意見を付けた。要請書は市議会に、自衛隊早期配備を防衛大臣などに求める意見書の提出を求めたが、市議会は「市議会として要請すべきものではない」として提出しない。
 反対の宮古平和運動連絡協議会の陳情と、市民からの自衛隊配備に伴う損失試算に関する請願は賛成少数で不採択となった。
 賛成の要請書を提出した自衛隊配備促進協議会の野津会長は「議会が可決し、下地市長も防衛省に配備を要請しやすくなった」と評価した。過疎化解消や災害時の救援、急患対応、周辺整備などで大きな経済効果があるとして「デメリットはない」と強調、今後防衛省などと連携し住民説明を進める考えを示した。
 反対派の「止めよう『自衛隊配備』宮古郡民の会」の砂川洋子共同代表は「具体的な配備内容も分からないままの採決。反対議員の質問を笑うなど、賛成議員は人の意見を聞く姿勢がないのがよく伝わった」と怒りをあらわにした。「市民への説明会を開いてもらい、行政の責任を問う」と力を込めた。