土砂搬入規制を県議会が条例可決 辺野古新基地に影響も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県議会は6月定例会最終本会議の13日、与党が提出した県外からの埋め立て用土砂や石材の搬入を規制する条例案を与党と中立の公明県民無所属の賛成多数で可決、成立させた。条例は11月1日から施行される。

沖縄の生物多様性保全の実効性を高めることが目的だが、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設事業で用いる土砂を県外から搬入する際に、県への届け出という新たな関門が国に課される。国が埋め立て資材への特定外来生物の混入を防除できない場合、新基地建設作業に遅れが出る可能性もある。
 条例は県外から埋め立て用の土砂や石材などの資材を搬入する際に、特定外来生物が付着、混入して県内に侵入することを防ぐ目的がある。外来生物法で搬送などが禁止されている特定外来生物113種が対象。公有水面埋め立て事業を実施する事業者に、特定外来生物を混入させないための調査や対策を実施させ、その内容などを資材搬入の90日前までに県知事に届け出る義務を課す。
 条例の採決に先立ち、与野党が賛成、反対の討論を実施した。与党側は(1)条例は外来生物法の趣旨に沿っている(2)沖縄の生物多様性を保全する上で特定外来生物の侵入防除が重要(3)生物多様性保全の必要性は県民や事業者から一定の理解が得られている―などとして必要性を訴えた。
 自民党は特定外来生物の侵入防除の必要性には理解を示した上で(1)条例に辺野古に基地を造らせないという政治的な意図がある(2)審議日程が2日のみで審議不足である(3)県民や市町村、環境審議会、その他利害関係者の意見を聞いていない―などと指摘し、審議の継続を求めた。野党の自民党と中立の維新の党、無所属の嶺井光氏は反対し、無所属の呉屋宏氏と新垣安弘氏は退席した。