米国防権限法に「辺野古唯一」明記へ マケイン氏が示唆


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 【ワシントン=問山栄恵本紙特派員】米国防予算の大枠を決める「国防権限法」の制定を取り仕切る米上院軍事委員会のマケイン委員長(共和党)は15日、米軍普天間飛行場の移設をめぐり、下院の同法案に盛り込まれた「辺野古が唯一の選択肢」との条項について「引き続き国防権限法で取り扱っていく」と述べ、法案への明記を示唆した。

法案の一本化に向け協議している上下院両院協議会は今週、最終案を出す予定だ。米議会が県民が強く反対する辺野古移設を「唯一の選択肢」と法律で強調することが濃厚となった。ワシントン市内にある保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」のシンポジウムで、琉球新報に答えた。
 マケイン氏は新基地について「諸手続きや環境の問題がある」と指摘した上で、「移設問題は大きな問題だ。中国の台頭やアジア重視のリバランス政策を見ても、海兵隊のプレゼンスは重要だ。移設をやり終えることを望む」と述べ、辺野古移設の必要性を強調した。さらに6月に面談した翁長雄志知事との対話継続を強調しつつも「(移設先の)決定は大統領がするのであって、政府間で行うもので知事が決めることではない」とけん制した。
 また「移設費用のほとんどを日本政府が負担する。米国の納税者にとって、素晴らしいことだ」とも述べ、日本政府による移設推進を歓迎した。
 複数の議会関係者によると「唯一」の条項は議会の見解という概念的なもので、日米両政府の政策判断を「法的に拘束はするものではない」との見解を示している。
 下院は5月「唯一」と初めて明記された国防権限法案を可決した。上院は6月に同法案の上院案を可決した。上院案では普天間移設については一切、触れていない。同法は上下両院で文言を一致させる必要があることから、法案の一本化に向け、両院の議員が協議している。
 マケイン氏は米共和党の重鎮で、2012年には辺野古移設の見直しを米政府に求めていた。