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辺野古埋め立て、防衛局が協議書提出 本体工事向け、県は保留

県海岸防災課に対し、実施設計協議書を提出する沖縄防衛局の職員(右)=24日午後、県庁

 名護市辺野古の新基地建設計画で、沖縄防衛局は24日、前知事による埋め立て承認で付した留意事項に基づく一部埋め立て本体工事の実施設計と環境対策の2点に関する協議書を県に提出した。県は24日、受理を保留し、海外出張中の翁長雄志知事が帰国後の週明けに取り扱いを協議するとした。一方、防衛省は「県が受け取ったので協議は開始した」とし、3週間をめどに見解を回答するよう求めた。

 翁長知事は埋め立て承認に瑕疵(かし)があったとする第三者委員会の報告を受け、承認の取り消しを検討しており、防衛局が建設の手続きをさらに進めたことに県側の反発が予想される。
 前知事による埋め立て承認の留意事項は、本体工事着手前に実施設計や環境対策について県と協議するよう防衛局に求めている。
 防衛局が提出したのは本体工事で建設する護岸22カ所のうち12カ所の実施設計協議書。防衛局は本体工事に向けた海上ボーリング(掘削)作業を実施中だが、既に終えた地点の計測値を反映した実施設計を提出した。掘削は24地点中19地点で終了し、5地点が残されている。残る護岸10カ所の実施設計協議書についても、掘削作業の進捗(しんちょく)を反映し、追って提出する計画。
 県の末吉幸満土木建築部長は防衛局が掘削作業の完了前に分割して実施設計協議書を出したことについて「途中で来るのは想定していなかった」と述べた。防衛局が併せて提出した環境対策の協議書については「環境に対する配慮は工事全体の流れに絡む。どのような格好で書類が作られているか、読ませてもらわないと分からない」とした。
 防衛局によると、環境対策に関する協議書は同局が設置した環境監視等委員会が過去5回の会合で議論した内容を反映した。一方、同委員会はウミガメの上陸・産卵のための砂地増設や外来種侵入などの対策はまだ議論していない。同局は「今後の委員会の議論、指導を踏まえ、協議が必要となれば検討する」とした。
 中谷元・防衛相は24日、協議で県の同意を得なくても工事に着手するかについて「実施設計は既に承認された申請書にある設計と同じ内容だ。環境保全策も申請書の添付図書に記述したものを充実させたものだ」とし、県側の同意を得られるとの認識を示した。
 翁長知事は同日、出張先のシンガポールで記者団に「何も聞いていない。このように大事なことは情報が入らない中では話をできない」と述べるにとどめた。